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2007年10月22日
フィレンツェ探訪 第10回 トスカーナはワインのふるさと
イタリアにはさまざまな美味しいものがありますが、忘れてはいけないのがワイン。なんといってもイタリアは、ワイン生産量でフランスと世界1~2位を争うほどのワイン大国なのです。
イタリアは全土にわたって気候がよく、ワイン用のブドウ生産に適しているため、各地方に自慢のワイン銘柄があります。数多いイタリアワインの産地の中でも特に有名なのがフィレンツェを州都とするトスカーナ地方ではないでしょうか。温暖な気候を生かして、トスカーナではさまざまなワインがつくられています。
今回、その中でも特に有名な産地の一つ・キャンティ地方のとあるワイナリーにお邪魔してきました。フィレンツェから車で1時間ほど。広大なブドウ畑が広がる中に、ワイナリーの建物が見えてきました。

ワイナリーの所有する畑がはるか彼方まで続いていました
案内してくださった方によると、ここは非常に歴史のあるワイナリーで、570年以上もの伝統を誇っているそうです。キャンティ地方だけでなく、イタリア国内に別のブドウ畑を所有しており、気候の違いにより異なった味わいのワインをつくっているのだと教えてもらいました。
ブドウ畑を案内してもらったとき、ワイナリーの方が「向こうにシエナの町が見えます」と言いました。目を凝らすと、ブドウの葉の緑のはるか向こうに、町らしきものが見えました。

左上の方にうっすらと見える建物がシエナ市街だそうです
キャンティ地方のワインの中でも産地など厳しく定められた条件を満たした特別なものは「キャンティ・クラシコ」を名乗ることができます。このキャンティ・クラシコのシンボルとなっているのがガッロ・ネーロ(黒い雄鶏)。このマークの由来に深く関わっているのがこのワイナリーのある土地なのだそうです。
時は中世。イタリアの各都市がそれぞれ別々の国だった頃、隣国同士だったフィレンツェとシエナは領土を争っていました。あるとき、2つの町はこんな取り決めをします。「それぞれの町の騎士が一番鶏が鳴くと同時にスタートして相手の町を目指し、2人が出会ったところを領土の境界線とする」。そこでフィレンツェ側は一計を案じました。用意した黒い雄鶏にわざと餌を与えず、お腹をすかせるようにしておいたのです。果たしてフィレンツェの雄鶏は夜明け前に空腹に耐え切れず鳴き始めました。おかげでフィレンツェの騎士はシエナの騎士を大きくリードし、なんと2人が出会ったのは町並みが向こうに見えるほどシエナに近い、このワイナリーが立つ土地だったとか。このエピソードが元になり、キャンティ地方では現在、黒い雄鶏を最上級のワインのシンボルとして使っているわけです。

シエナとフィレンツェを結ぶ街道沿いにあります

ワイナリーの中には古代ローマ時代からあるという古い街道が走っていました。もしかしたら、シエナの騎士はこのへんの石畳の上で地団駄踏んで悔しがったかも・・・。
ワイナリーでは貯蔵庫も見学してきました。案内してくださった方いわく、「昔はとにかくたくさんつくることが重要だったが、今は量は少なくても品質の良いものをつくることにこだわっています」とのこと。それに合わせて使用している樽も大きさを変えたりしているそうです。500年以上続くところでも、時代に合わせてスタイルを変えているのだなあと感心。

見学用コースにあった樽
さて、いよいよ試飲です。イタリアには、サン・ジョヴェーゼなど長い歴史を持つイタリア独特の品種のブドウがたくさんあります。それだけでなくカベルネ・ソーヴィニョンとかメルローといった、フランスワインでおなじみの品種も栽培されており、さまざまな個性を持つワインが生み出されているそうです。私も、ワインに詳しい同僚の隣に座ってみようみまねでテイスティング。じっくり見て、香りを感じて、味わうと、同じワイナリーでつくられたと言ってもそれぞれのワインがとても個性的なものに感じられます。

個性豊かなワインのテイスティングは楽しいですね
長い伝統と新しい取り組み。イタリアワインは相反することを両立させて、まだ進化を続けているんだなあと感じた、ワイナリーでの時間でした。
ブドウといえば、ブドウの収穫の時期によくつくられる、こんなお菓子があります。


スキャッチャータ・コン・ウーヴァといいます。スキャッチャータというのはフォカッチャを潰したもの。ウーヴァはブドウのこと(コンは英語で言えばwithに当たります)。生地の中にブドウがたーっぷりつまったものなんです。

こんな感じのブドウでつくるそうです。
材料もパン生地に砂糖、ブドウ、オリーブオイルなどと、いたってシンプル。でも、しっとりとした食感とブドウのおいしさを存分に楽しめる伝統菓子です。ブドウの産地らしい、そして旬の味覚に恵まれたトスカーナらしいお菓子ですね。
投稿者 royce : 2007年10月22日 10:00
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