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2006年11月29日
「ジャンドゥーヤ」事始め・今月は生チョコレート[ジャンドゥーヤ]
いよいよ12月。12月の限定生チョコレートは[ジャンドゥーヤ]です。以前から公言しているとおり、私・工藤は大のジャンドゥーヤ党なので、この生チョコレートも大好きなんですよ。待ってましたという感じですね。この「ジャンドゥーヤ」というのはヘーゼルナッツのペーストが入ったチョコレートで、もともとはイタリアでつくられたものです。
昔、ナポレオン1世が、ヨーロッパ大陸の大半を支配下におさめていた頃、ライバルのイギリスにダメージを与えようとして、イギリスやその植民地と、自分が支配しているヨーロッパの国々との間での貿易や行き来を禁止する「大陸封鎖」という出来事がありました。これによってヨーロッパ大陸の各国では、世界中に植民地を持っているイギリスとの貿易ができなくなり、アメリカ大陸からの原材料などが手に入らなくなって、逆にヨーロッパ大陸側が困ることになってしまったのです。
こうした混乱の中で中央アメリカや南アメリカでつくられるカカオもまた、なかなか手に入らないものになってしまいました。チョコレート屋さんにとっては一大事です。原料が高くて手に入れられなければチョコレートはつくれませんものね。ヨーロッパでもチョコレート産業の中心地だったイタリアのトリノにとっては、街全体を揺るがすような大問題だったはずです。
そんな中発明されたのが、トリノのあるイタリア・ピエモンテ地方名産のノッチョーラ、つまりヘーゼルナッツのペーストを混ぜてつくったジャンドゥーヤ。地元で採れるヘーゼルナッツは安く手に入りますし、しかもそれを使ってつくったジャンドゥーヤは、普通のチョコレートとはひと味もふた味も違った、とても個性的で美味しいものになったのです。ナポレオンが失脚し、カカオがたくさん手に入るようになってもジャンドゥーヤはつくり続けられ、現在でもトリノの名物なんですよ。今ではとても有名になったジャンドゥーヤが、実はカカオ不足を補うための工夫から生まれたというのも不思議な話だと思いませんか?
ロイズの生チョコレート[ジャンドゥーヤ]は、ミルクチョコレートをベースに、生クリームとヘーゼルナッツペースト、そしてアーモンドペーストも混ぜています。使っている洋酒もくるみ風味のリキュール「ノチェロ」を選んでいるので、ナッツの香味がとても豊かなんです。ジャンドゥーヤ好きな方はもちろん、ジャンドゥーヤをまだ食べたことがないという方も、ぜひお試しください!
【以下ちょとマニアックな余談】ジャンドゥーヤ(Gianduja)は、もともとイタリアなどで人気のある大衆演劇「コメディア・デッラルテ(Commedia dell'arte)」のキャラクターの名前で、ジャンドゥーヤはトリノ方言で「ジョッキのジョヴァンニ(Giovanni del boccale)」という意味だとか。いわばトリノの町のマスコットキャラクターのようなもので、とても陽気で大酒飲みなキャラクターなんだそうですよ。
ちなみに、もともとジャンドゥーヤというキャラクターは「ジェローラモ(Gerolamo)」という名前だったんですが、これがナポレオンの弟の名前をイタリア語表記したものと同じだったので、名前を変えたのだそうです。喜劇のキャラが権力者の兄弟の名前と同じとあっては大変なことになりますものね。それにしても、キャラクターとしてのジャンドゥーヤも、お菓子としてのジャンドゥーヤも、その誕生にナポレオンが大きく関わっているというのは不思議な縁と言うべきか、それだけ当時のナポレオンの存在がすごかったと言うべきか。
(参考・「ウィキペディア」日本語版、英語版、イタリア語版)
投稿者 royce : 2006年11月29日 13:54
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